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エコツーリズムの将来と今後の課題
キングフィッシャーベイリゾートのマーケティングの一貫として、SIT marketの開拓を数年前から本格的にやりはじめました。 いくつかのセグメントにわけて、今まで全くコンタクトのなかった団体やそういった団体を顧客に抱えている旅行社、その支店あるいはその担当の営業マンを尋ねて色々情報収集をしています。草の根運動のような地味な活動ではありますが、思いも寄らないところに私の目指すクライアントがいるようでその発掘作業は金貨を堀当てるような作業のようです。

エコツアーのマーケティングを拡大していく上で、エコツアーに積極的な旅行社とトラベルメディアをご招待して、エコツアーの視察旅行を実施しました。現地の施設ならびにオペレーションを見ていただき、その感想と今後の商品化に向けての可能性を一緒に考えていただきました。

キングフィッシャーベイリゾートのエコツアー
 

そこでも大きくクローズアップされたのはやはり、言葉の問題です。 エコツーリズムが成立するのに対して大きな要因となるエコツアーは、現地の自然環境や歴史慣習などを熟知したインタープリター(キングフィッシャーベイリゾートではレンジャーと呼ぶ)が案内してまわるツアーが何よりも重要になってきます。やはり内容が専門的な分野の説明となる為、かなり言葉が堪能な方を除いてはやはり母国語で説明が聞けるかどうかが大きなポイントとなるところです。

もちろん、各デスティネーションがそれぞれの言葉に対応できるインタープリターを持てればそれにこしたことはありません。しかし、現実問題を考えると(例えばキングフィッシャーベイリゾートを例に考えてみると)それだけの予算をとってインフラを整える作業をすることは大変難しいことです。

それでもこの言葉の部分をクリアできないと海外にこんなにもいいデスティネーションがありながら日本人に紹介するのは無理、だからやめておこうということになりかねません。現実に多くの旅行社からこういったコメントをいただき続けてきました。

現在では、グループ(15名以上)の場合はリクエストがあれば日本人スタッフをガイドをアレンジしています。 (手が足りずに私、自らツアーに同行させていただくこともありますが、、、、。何と言っても私も、フレーザー島に通った数は、半端じゃありません。日本人としてなら、誰にも負けないかも、、、。1989年にこの開発プロジェクトに加わって以来ですから、まだフレーザー島なんて日本の市場では見たことも聞いたこともないときからの長い付き合いです。それだけに愛着もありますし、いらしたお客様にフレーザー島の素晴しさを体験していただきたいという気持ちは、インタープリターとまで行かずともお客様には結構ご満足いただいていると思っています。)
個人でいらしたお客様には、日本語で作った簡単なガイドブックを渡しています。これでせめて、フレーザー島の概要くらいはカバーしていただけたらと思うのですが、、、。

本来のエコツアーをエコツアーとして楽しんでいただくために、インタプリターの存在がどんなに必要かはよくわかっています。もしユニークなキャラクターをもったインタープリターが、自分の体験をも交えてフレーザー島の自然をおもしろおかしく語ってくれたらどんなにいい商品ができるかと、毎日がジレンマの連続です。

オーストラリアの観光産業は、一般的にみて家族商売に毛のはえた程度と言われるように、まだまだ規模も小さい上に、金融機関からは信頼がなく、どうしても堅実にインフラを整備していくしかありません。一時のブームなどにのって規模を拡張したところは軒並みそのブームが去った後、痛いめにあっています。だから当てにならないもの(日本人を誘致するためのインフラ作りはそう考えられています。やはり熱しやすく冷めやすい水ものの商売だからでしょうか?)に大きな資本を投下することには慎重にならざるを得ません。もし言葉の心配のいらない他の外国があればそっちに予算を回してそこから利益を考えることも道理と言えば道理で、このバトルはマーケティングのミーティングでいつも苦労するところです。

一方、旅行社の言い分は”インフラの整っていないところになんか日本人は安心して送れない、売ってもらいたいならインフラを整えてから出直して来い”と言葉こそもう少し柔らかいものの、こういった内容のことをはっきりおっしゃる方も少なくありません。そちらもごもっともな鶏と卵の世界です。

でも、日本人が全体のマーケットシェアの一桁のところに多額の投資はやはり限界があります。そしてこの状況は決してうちのリゾートにだけ言えることではないのです。そしてそういった日本人観光客に染まっていないところにオーストラリア本来の(あるいはそのデスティネーション本来の)素晴しさが残っていて、それを体験出来ることがとても有難いことであったりもするのです。見て体験してみないことにはその素晴しさを伝えていくことも出来ないのですから、、、、。

この外国語という言葉の克服によって、本来目指すところのエコツーリズムへの道が大きく開けていけるよう気がしてなりません。 そこで、ことあるごとに旅行社の企画を担当されている方やエコツーリズムの研究会などに参加させていただいた折にお話しさせていただくことは、インタープリターの養成や派遣をもっと組織的に日本からできないものかということです。
どの旅行社にとっても、いい日本語ガイドがいたら商品も売りやすいのにというのが決まり文句。誰もが望んでいることなのですから、皆でそれができないかということです。
会社間の利害もあってなかなか足並みを揃えるのは難しいことですが、、、、、。

前述のエコツーリズム研究会が母体になって、こんなエコツーリズムにかかわる人たちのネットワークをどんどん広げて、そこから情報交換をしたり資金を集めたり、また何か新しい動きが出来たらということで、1998年3月に日本にも初めて、エコツーリズム推進協議会(Japan Ecotourism Society)が兼高かおるさんを会長に発足しました。私も事務局でお手伝いさせていただいておりますが、こんな活動からも新しい人材がどんどん育っていくようなそんなプログラムを作れたらと思ってます。

今現在、ボランティアで森林インストラクターや自然観察指導員といった立場で活動をしている方がたくさんいます。また大学の環境学科で勉強をしている学生、外国に行ってみたい、でもただ遊びにいくだけではなくて現地の人に混じって現地の文化や自然におもいっきり触れてみたいといった人、自然が好きで色々勉強したいと思っている人。オーストラリアにはワーキングホリデーという便利なビザもあって働きながら英語を勉強したり、生活をとおして交流を図るといったプログラムがあります。(現実は何もすることがなくてただ目的もなくただプラプラしている日本人グループも少なくありませんが、、、。)

こんな人達の中に半年くらい現地のレンジャーと一緒に生活をしながら現地の文化や慣習自然といったことを学び、そしてそれをそこを訪れた日本人観光客に的確に伝えていく。そしてその中から次の時代の日本語レンジャーを育てていく、そんな研修制度やプログラムができたらという思いがここ数年積もって1999年の9月に、第一弾としてレンジャープログラムを試験的に実施してみることになりました。

   
レンジャー体験プログラム実施

キングフィッシャーベイリゾートでレンジャー(インタプリター)を目指す方、あるいはインタープリターという仕事に興味のある方のためのプログラムを始めました。詳細についてはこのホームページ、”第1回レンジャー体験プログラム”でご案内しています。
今年もこのプログラムを改良し、体験だけでなくレンジャー養成プログラムとして1ヶ月の長期プログラムも実施していくつもりでただ今準備中です。HPを通じて、沢山の方からレンジャーになりたいけどどうしたらいいのかという質問をいただいてます。そういった方達の登竜門としてもこのプログラムが有効であればと願っています。オーストラリアで実際にレンジャーになるために実施している養成コースから抜粋した形で日本人の方にもプログラムを体験していただくとともに、日本人の方がオーストラリアで実践として働くチャンスをご紹介できたらと思っています。また、ボランティアとしてパークレンジャーの生態系調査のアシスタントをするプログラムも随時実施予定です。我こそはという方は、ぜひご連絡ください。

今後のエコツーリズムの発展の為によい人材を育てていくことは業界の使命です。その為に、少しばかり日本より先を歩いているオーストラリアで実際にエコツーリズムの現場を体験していただきながら、日本人にとってのエコツーリズムの形を考えてみることはそんなに無駄なことではないと思うのです。
加えて、これによって今私達が抱えている言葉の問題の解決に少しでも役立ち日本人が外国でも地元の人と同じ(なるべくそれに近い)状態で地域の自然環境の中で観光ができたら嬉しいことです。

旅行業界も格安、激安といった安売りの中で他社との差別化、新しい商品の開発などが常に問われています。エコツーリズムに代表されるように旅のプロが本当に旅のプロであるためにはその道に精通し、他にない情報をどこよりも的確にしかもタイムリーに出すことでしょう。ですから、刻々と変わる情報に一番敏感なのが業界の人であって欲しいものです。

キングフィッシャーベイリゾートのマーケティング活動を通して現状を見てみると、驚くことはやはり、一般の旅行者の関心の高さです。雑誌やテレビといったメディアを通じて情報を流すと、そこからの問い合わせ、ならびに予約の反応には予想以上のものがあるのが現状です。ここ数年は特に顕著に感じるところですが、時代の要求は色々な形で実感できます。これからは、そういった隠れたマーケットに対してどんな形でどれだけの情報を的確に提供していかれるかが大きな課題だと思ってます。
そういった意味からもインタネットは最高のメディアです。直接関心のある方に情報がいきそこからのフィードバックも期待できます。実際最近の予約や問い合わせは、インターネットを見ましたという言葉でスタートする電話や、E-mailがほとんです。

今後どういった方向でエコツーリズムの考えを日本にも普及していくことができるか、どうか皆さんも一緒に考えてみてください。皆さんからのご意見お待ちしてます。

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