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南半球一のホエールウォッチングスポット・フレーザー島

毎年、北の暖かい海で出産を終えたザトウクジラ達が南極へと戻っていく途中、その体を休めに立ち寄る穏やかな海があります。それがフレーザー島とオーストラリア本土に挟まれたプラティプス湾です。8月から10月の中旬までの2ヵ月半にわたる自然のエンタティメントをあなたも体験してみてください。
今年のホェールウォッチングシーズンも8月からスタートしますが、シーズンの最初は体力のある好奇心旺盛なオスのクジラが一行に先立ってプラティプス湾に到着します。何と今年は既に2頭の青年クジラの姿が地元紙で確認されました。こんなに早い時期にその姿を見ることは大変珍しく、地元でも驚いています。 
ホェールウォッチングは8月になるとその数も増し、安定して姿を見ることが出来ます。そして、 9月に入るとそろそろ親子クジラも、目撃されるようになります。中でも今もっとも注目されているのは、1994年にハービーベイで始めて目撃された白鯨(Migaloo)。
今年はプラティパス湾にミガルーの姿を見ることができるでしょうか? 皆さんも今年こそこの自然のドラマの一員となって間近で迫力ある姿をご覧ください。

フレーザー島でのホェールウォッチング

いつどこでクジラを見ることができるかは誰にも保証できないものの、ここ2〜3年のハービーベイでのホェールウォッチングの実績を見る限りほぼ100%の確率でザトウクジラに遭遇できています。

これはこのハービーベイ地域でのホェールウォッチングのオペレーターによる組織的なオペレーションが定着してきたことと、クジラの総数が増えてきていることによると考えられます。いづれにしてもこのような好条件でクジラを真近でウォッチングできるということは他のどこにも類を見ません。

キングフィッシャーベイリゾートをはじめ数社がホエールウォッチングツアーをこの時期(8月〜10月にかけて)実施しています。ツアーオペレーターは、すべて認可性となっていて、経験あるスキッパーと乗員を使用することが義務づけられています。
なお、地元の環境庁によると今後新たに認可数を増やす予定はないということで、ホェールウォッチングの乱開発を規制し、自然や鯨に与える影響を最小限にする努力をしています。皆さんにご参加いただいているウォッチングツァーの料金の一部は、このハービーベイマリンパークの管理と鯨のリサーチなどにあてられています。

毎年、北の暖かい海で出産を終えたザトウクジラ達が南極へと戻っていく途中、その体を休めに立ち寄る穏やかな海があります。それがフレーザー島とオーストラリア本土に挟まれたプラティプス湾です。8月から10月の中旬までの2ヵ月半にわたる自然のエンタティメントをあなたも体験してみてください。

ベストシーズンとコンディション

シーズンは前述のように8月から10月までですが、年によって少しはやくなったり遅れたりはあるようです。どうも、水温の変化に反応しているそうです。
ただ、シーズン中でも大きく2期にわかれて見られるクジラに変化があります。
まず、前半の時期にやってくるのは主に大人と若者の群れの大きな到来、時期もかなり後半になってくると母親と子供達の到来です。なかには北の暖かい海で生まれたばかりの子クジラが母親クジラに守られるようにやってくる姿も見られます。
全体的にハービーベイのクジラは通過していくクジラというより、湾の中で体を休め南極への長旅への体調を整えているようで、2〜3日滞在していくクジラが多いようです。これも背びれの模様から同じクジラが数日確認されていることから判明したことです。

また、クジラのアクションパターンも大人のクジラの場合は非常に好奇心が強くボートのまわりをぐるぐるまわっては様子をさぐりに自分達からやってきます。近くクジラをぜひという方にはこの大人のクジラの多い比較的前半をお薦めします。

あるいはジャンプやブリーチなどのアクションをご希望の方、ボートから見える距離は遠くなりますが確かに見応えは満点で、うまく写真におさめられればそれこそ家宝ものです。こういったアクションは若いクジラに多く見られます。子クジラが母親にじゃれつくようにからみあってはジャンプするといった行動を繰り返すこともあります。
また、比較的曇って波の高めの時もアクションが期待できます。時期としては後半の方が見える確率も高いかもしれません。

というように、シーズンを通じて色々な表情が楽しめ、二度と同じということがありませんから、中にはリゾートに滞在しながら毎日ホェールウォッチングに出かけるクジラファンも少なくありません。確かに一度見たらその感動は忘れることは出来ませんから、、、。
ちなみにこの私も大のクジラファンですから、ハービーベイでのホェールウォチングを1988年に最初に見てから毎年このシーズンを楽しみにしています。

1993年9月29日、あの白鯨がハービーベイに姿を表わし、なんと13回ものブリーチを見せたその日も、”あまり天気が良くないから今日はダメかな”と言っていたそんな日の出来事でした。ですから、ホェールウォッチングは天気が悪くてもあきらめないでください。

ホエールウォッチングに忘れてはならない持ち物は?

サングラス、日焼け止めクリーム、あごひものついた幅広の帽子、長袖の上着、防水コート、
そして忍耐力。(これが重要です)

世紀の一瞬をぜひカメラに収めようと思っている方は・・・・

天候が穏やかでクジラが近くにいる時はスナップ写真用のカメラでも十分ですが、理想としては80〜200mm レンズの35mmSLRカメラで、200か400 ASAのフィルムを使用し、シャッタースピード:1/500th sec.で撮ってください。望遠レンズは揺れているボートでは使用が困難です。クジラがボートの近くの水面まで来た時の為に、通常の50mmレンズを用意しましょう。水面の照り返しを計算にいれて自動露出値は自分で設定しましょう。
フィルムは多めに、、、。電池も忘れずに。

ホエールウォッチングの見どころ

ザトウクジラの行動パターンとして一番顕著なのは、やはり海上でのものです。海面にやってくるとクジラは頭のてっぺんにある穴から、勢いよく息を噴き出します。(潮吹き)

大人のザトウクジラは、それぞれ小型車サイズはある2つの肺を持っていて、2秒もかからず空にしたり満たしたりできます。これにより、圧縮された蒸気による独特の雲上のものがみられるのです。

よく絵にかかれているようにクジラは海水を吹き上げているのではありません。 穴から息を吸い込んだ後、ザトウクジラは曲線を描き、頭を下にして潜っていきます。
この行為が、ザトウクジラ--HUMPBACK(猫背の)WHALE--- の名前の由来なのです。

ザトウクジラは、海面にやって来て胸びれを見せます。

時には海面に横たわって、両びれを海にピシャッと打ちつけることもあり、これはペックスラップ (PEC SLAP) として知られている行為です。

半分海に潜ったクジラが、ほぼ直立姿勢になりかかる時、尾を海面に打ちつけるのは、代表的なテイルスラップ (TAIL SLAP)という行為です。

スパイホップ(SPY HOP)は、クジラが水中で直立し、目だけを海上に出して、また潜っていくという行為です。

ブリーチ(BREACH)とは、クジラがその体を水中から持ち上げ、又海中にドボンと沈んでいくもっとも壮大な動きです。
写真左

その他の動きとしては、尾と体の裏側を海上に出して、水面や他のクジラをピシャッと叩くボディースラップ(BODY SLAP)と、体を水中から出して頭から海に飛び込んでいくヘッドスラップ(HEAD SALAP)があります。

   

クジラの歌

ザトウクジラは、体の中で空気隅々に動かして、広範囲の周波数による多くの音を出すことで知られています。彼等の歌歌は動物の世界では最も長く、最も変化に富んだものとなっています。移動をする動物は同じ様な音を出すと思われており、その音は季節によって変化するので、毎年その歌は前年のものとは違っています。

クジラの歌はハービーベイで常に記録されています。それは繁殖期のみに限られており、雄のみが音を出すと思われています。キングフィッシャーベイリゾートのホェールウォチングボートからは、ハイドロフォンを使って実際にその歌を聞くことができますのでぜひ、お試しください。

観測とリサーチ

クジラは本当に素晴しい生き物ですが、我々はまだ彼等のことを殆ど知りません。学者やリサーチ機関は、このハービーベイのウェールウォッチングをかれらの短期、長期的な研究の場として使用しています。

尾ひれの裏の色、模様、形と体の側面の色で一頭一頭を見分けることが出来るので、ハービーベイで撮れた鮮明な写真は、非常に有効な資料となりますので、それぞれの写真には日付、時間、場所などを書いておいてください。

ここ3年程見られませんでしたが、その前2年続けてハービーベイで”白鯨”が観測されました。私も丁度その時にテレビ番組の撮影の為にずっとハービーベイに待機してましたので(もしや番組をご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、、。)この世紀の一瞬に立会い、ハービーベイより少し南で写真にとらえることができました。それはそれは真っ白な氷山のような白鯨で、モビーディックの小説の”白鯨”が実在することをこの目で確認しました。当時リサーチを続けていたパシフィックホェールファンデーション(PWF)にも、その時番組制作のためにあちこちから集めた白鯨の目撃記録を資料として提供させていただきました。

保護

商業捕鯨以前のオーストラリア海域を訪れるザトウクジラの推定数は10,000頭でした。1986年、東オーストラリアのザトウクジラは700〜800頭と推定されました。この数字はクジラが絶滅の危機にさらされ、1963年に商業捕鯨が禁止された時に残っていると思われた数の2〜3倍に当たります。保護活動のおかげでザトウクジラの数は徐々に増え、最近では2000〜3000頭とも言われています。(詳細の数字に関して諸説あり)毎年クジラの見える確率と見え方が安定してきていることから着実に総数が増えてきているのがわかります。

すべてのクジラ、イルカなどはオーストラリアとクィーズランドの法律で保護され、地元の環境庁の国立公園課によって管理されています。ハービーベイにも”ハービーベイマリンパーク”が1989年に設置され、クジラを守るために人間の行動を監視できるように地域指定されており、この指定はクジラが最もよく現われる8月〜11月までの間、毎年設定されています。

クジラウォッチングについてもオペレーターには次のような規制やガイドラインが定められていいます。ハービーベイでは船のスキッパーは以下の法律を守るように義務づけられています。

  • クジラの100メートル以内に近づいてはいけない
  • クジラの300メートル以内に他の船が3隻以上いる場合は、300メートル以内に近づいてはいけない。
  • クジラの前に立ちはだかってはいけない。
  • クジラの自由な行動を妨げるように追い込んだり、追跡してはいけない。
  • クジラの群れを分けたり、母親と子供の間に入り込んだりしてはいけない。
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